architecture

NEST(愛知県名古屋市)


 名古屋駅から程近い商業エリアに建つ狭小住宅は、わずか13坪の敷地に建つ鉄骨造3階建で、建築面積は10坪に満たない。ブラウンの木製ルーバーとグレーの吹付外壁で覆われたシックな外観は、さながら鳥の巣のようだ。

  1階には小型自家用車のピロティーガレージを設け、アプローチ奥には玄関と主寝室、2階には子供室と水廻りをコンパクトに設えた。寝室にはベッドマットが納まるベッドを造作するなど、空間そのものを家具として扱うことでコンシャスな空間に仕上げた。また、ヘッドボードに設えた間接照明が「小ささ」ならではの居心地をつくりだす装置になっている。

  2階に設えた子供室はあえてオープンな空間とし、階段と連続した多目的空間とすることで家全体にもフレキシビリティーを与えている。小住宅だからこそ、機能だけではなく隙間のような空間が必要なのだ。3階には将来母娘で楽しく調理ができるコックピット型のキッチンを設け、コンパクトな食卓テーブルと接続することで家の主役になるようにした。また、造作キッチンと内装をラワン合板で統一することで小さな空間には一体感が生まれ、繊細なディテールワークが心地良さを生みだしている。

  吹き抜けのあるリビング上部に設けたトップライトからは十分な光が降り注ぎ、空を一望できる開放的な空間が生まれている。バルコニールーバーは室内からの視線を通しながら、外からの視線をシャットアウトする役割を担い、プライバシーを調整する装置として機能。敷地条件を最大限に生かしつつ、建主のオリジナリティーを実現した都市住宅のプロトタイプといえよう。


■DATA

所在地 愛知県名古屋市
竣工 2015年4月
敷地面積 43.45㎡(13.14坪)
建築面積 31.61㎡(9.56坪)
1F床面積 31.61㎡(9.56坪)
2F床面積 28.39㎡(8.58坪)
3F床面積 30.58㎡(9.25坪)
延床面積 90.58㎡(27.40坪)
構造 重量鉄骨造
規模 地上3階建
用途 専用住宅
構造設計 野村一級建築士事務所
  野村基
設備設計 松本尚樹
照明設計 シリウスライティングオフィス
  戸恒浩人
施工 井戸建設
建築写真 西川公朗

 

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